20060909

洲本港の??

今回は釣りの話。気軽にどうぞ。でも、釣をしない人には退屈かも知れません。昨夜、洲本港のお気に入りの場所で、紀州釣。そこは、地元のひとはあまり行かない穴場で、夕方の短時間に潮位が急激に上がる日には、いわゆる高級魚があがります。冬場にヒラメ、ポン級アイナメ、30cm近いメバルなどなど。だから、詳しい場所は書きません。

昨日は、水温の高い初秋の大潮。膨張した海水のため、潮位は冬場よりも高く、午後4:00頃から数時間で1mは上がります。先週、仕事の時間調整時に防波堤のイガイをつつく50cmを超えるチヌを何枚も見ていますから、大阪湾の臭いチヌではない、洲本のチヌをあげようと勇んで洲本に出向きます。

紀州釣で毎回アタリはあるのですが、暗くなるまでにあげたのは20cm前後の小チヌ2枚。貧果です。暗くなってもオキアミをサシエに、配合エサでくるんで紀州釣を続けます。気分転換にサシエをサナギに変えても、一向にアタリなし。そろそろ止めようか。

もう数投のエサしか残っていない時に、きました、ずしんと重いアタリ。まるで、地面を引っ掛けたかのようです。大物はいつもそうですが、ハリにかかった瞬間からコンマ何秒間は、「何かあったの?」というようなきょとんとした感じなんでしょう。唇のどこかを急に引っ張られて、事態を飲み込めていません。そして、コンマ何秒間、毎秒数テラバイトを処理するやつらの脳のCPUは量子力学的スピードで解析し、事態を飲み込み、全神経に命令を発し、行動に移ります。つまり、全生命をかけて逃走します。

陸地で釣竿をひく私は、とほうもないチヌだと感じます。50cmをはるかに超えているのでは、超えているだろう、そうにちがいない、きっとそうだ、絶対そうだ、絶対絶対そうだと確信します。昨年の冬に2号のハリスを難なくぶちきった大物が出没する場所です。1.7号のハリスを極限まで引っ張り、ハリス強度の80%程度に固めたドラッグがいとも簡単に、バックラッシュを起こすのではと思うほどに、逆転するのですから。1.5号、5.3mの磯竿はミシミシという音が聞こえそうなくらい、胴から曲がっています。

海面近くまで浮いてきながらも、幾度もドラッグを鳴らして突っ込み、その重量感は50cmのチヌとは違います。コブダイがきた、とも思いました。

2分程度でしょうか、そんなやりとりの末、60cmのタモにようやく収まります。けれど、暗い中でのやつのシルエットは、細長い。なぜか、細長い。チヌでもなく、コブダイでもないのです。太った猫かと思うほどの、超えすぎた錦鯉かと思うほどの、全長60cm、体高15cmを超える、まるまると太ったボラでした。右腕がけいれんするほどに格闘した相手がボラだとは。

そういえば、チヌにしてはスピードが足りなかったよな、とか、頭をふらなかったよな、とか、急に私は冷静になります。こんなときいつもなら、徒労感が湧き出るのですが、とほうもないファイトを見せたボラなので、靴で蹴って海に返すことはせず、というか、蹴っても動きそうにないので、タオルで包んで抱きかかえて海に返してやりました。お疲れ様でしたね。元気でね、と。


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錦鯉の里_小千谷市