20100827

vernacularのコンポジション

境港から美保関へ北上。車のナビでどこか静かな海水浴場はないかと西進。その道程で見付けた、農機具小屋かと思う。同じフォルムのものを2つ、割合と近いところで見つけたので、おそらくはこの地方のヴァナキュラーだったのかもしれない。

建築のヴォリュームを一種のコンポジションと捉えれば、ヴァナキュラーな、作為のまったく無いものの中にも、おどろくほどモダンなコンポジションを見かける。そんなものを見つけた時は、そそくさと車を停めて、カメラに収めることとしている。

これらの農機具小屋をカメラに収めながら、今は亡きチャールズムーアが、ずいぶん昔の雑誌SDの特集号「スイカの思い出」で彼の訪れた建築のピンナップ写真を集めて、短文を書いていたのを思い出した。北欧、スカンディナヴィアのどこかの納屋の写真に向けて、「これほどに自然な建築を建てたい」というようなことを書いていた。

この山陰の農機具小屋にはケレン味などまったくなく、のびやかだ。大きく張り出した下屋やてっぺんに取り付けられた換気の小棟。いいものを見つけたなと思う。







 

錦鯉の里_小千谷市