白山神社 新潟県糸魚川市
恐らくは、屋根瓦では凍害が現れることが主因であろうかと思うが、東北の寺社には茅葺が多い。そしてその維持には、茅葺職人を含めた地元でオーガナイズされた組織や茅を安定して調達できる環境-風土も必要だろう。また、現代であれば、瓦葺き以上に手間も、恐らくコストも求められるのだろう。
茅葺屋根は、寺社の大きな屋根架構に載ると、その茅の刈り込みの手際も相まって、風格のあるものに仕上がる。その一方、丸みを帯びた茅葺屋根が民家にも至極普通に用いられているからであろう、馴染みが深く、優しい。
旧朴舘家住宅 岩手県二戸郡一戸町
これは寺社ではないのだが、十七間×九間(30M×16M)のとても大きな豪農の民家。残雪が載ったままの大きな屋根とそれを支える、豪雪地帯の大屋根を支えるための柱、梁、束、貫...丸太垂木... 。特に柱は強度に勝る栗材が用いられているらしい。
白井晟一の“縄文的なるもの”のなかの一文「茅山が動いてきたような茫莫たる屋根と...」を想い出す。