20240421

会津さざえ堂



誰が書いたのだったか、FLライトのNYグッゲンハイムは、そのスロープが、力学的構造と動線と意匠を一体的に規定しているので、なので傑作とは言えない、とかなんとか、読んだことがある。私の記憶の中で脚色しているかもしれないが。

ただ、RC構造のNYグッゲンハイムに較べてみれば、木造で造られた会津さざえ堂の二重らせんは、その表現はよりストレートである。





スロープだけで構成されたところのいわゆる”さざえ堂”形式は日本国内にいくつかあり、とはいえ、NYグッゲンハイムと同じく、世界的に希少といえる形式だといえるだろう。会津さざえ堂は、本流の”日本建築史”にはほとんど相手にされずとも、特に建築プロパー界隈ではよく知られている。

基本的に線材の構造体(柱梁)を現わす(見せる)日本建築は、その構造手法と空間構成原理が密接に、それも宿命的に連関している。となれば、会津さざえ堂は、そのような手法で造られたダイナミックな二重らせんを描くスロープ構造しかない、ほぼないとさえ言えて、それはそのままストレートでダイナミックな表現に結実している。

外観に二重らせんがそのまま反映され、斜めに架かる桁や貫が、水平面から大きな勾配を伴って上昇していく力強さは、素晴らしい。ディテールが簡素なので、よけいに力強い。





また、その堂内のきつい斜路はまるで山間を歩くような動作を要求される。けれどなぜか、どこか気楽な印象を受ける。





最後に弘前禅林街のさざえ堂。会津ほどの力強さは無い。

これでは、もっとよく見たい、中に入りたいという気持ちは起きない。







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