20060927

ウリボウは2クールで交換すること

 

昨日は、4:30起床。6:00に西宮を出発。行く先は、今秋すでに幾本かの青物を釣り上げた淡路島翼港。同行者は、よく伺うショットバーのN氏。釣初心者のN氏には、初心者向きのサビキ釣を御教示し、アジを釣っていただく予定。私の方はもちろん、生き餌でのハマチ狙い。
翼港に着いてさっそく、ハマチの生き餌となるウリボウ(シマイサキの子)を釣りながら、その様子をN氏に参考として見てもらって、アジが出てくるまで続ける予定だったのが、ウリボウがまったく釣れない。アジは言わずもがな。このままでは、餌が無いのだから、釣りにならない。少々焦る。そこで、外向きでは潮流が早すぎると判断して、内側での餌釣りに変更。いた、いた、ウリボウが。棚は底近くと思いこんでいたのだが、防波堤際の水面近くで集まっている。
ウリボウを15匹程度を確保して、ハマチ狙いに専念する。3号5.3mの磯竿に4000番台のスピニングリール、5号の道糸と5号のハリス。メジロ(60cm以上のハマチ)が食っても上げられるタックル。ただし、重い。高価な道具じゃない分、余計に重い。西宮一文字では潮の流れがゆっくりなので、1クールが長く、置き竿にしても釣りになるのだが、翼港は明石海峡に近く、潮流のスピードは半端ではない。ゆっくりと歩くスピードで流れるから、ウキにあわせて重いタックルを持ちながら歩いてながしていく。1クールは2分以下。アタリが無ければ、餌のウリボウを引き上げて、また元の位置に戻り、投げ込む。短い時間に何度も引き上げては投げ込むものだから、餌のウリボウの耐力消耗は激しく、3クール目くらいには、瀕死状態、5クールにもなれば、まことに気の毒であるが、昇天してしまう。
翼港の青物ポイントは南北に伸びた外向き波止のカーブした南面だと釣具屋の主人に言われたし、実際にそのポイントにはこの時期、暗いうちから相当の人が竿を出している。数多くの竿が狙うのだから、結果的には青物の数が上がり、唯一のポイントのように思われている。けれど、私はそうは思わない。そこでは潮流が幾分緩く、置き竿での釣法が取れるから楽なのだ。重い重いタックルを何時間も流し続ける釣法をいとわなければ、ポイントは別にもある。狙う私のポイントは今秋青物を上げずに終えた日は無いポイントである。時間は9:00~10:00の間。釣りの時間としてはだいぶ遅めである。それでも、いつも同じポイント、というよりも、同じスポットで青物が上がる。時間的にも場所的にもスポット的に狙えるのだから、確率からすれば、抜群である。

こんな思い込みの強い今秋のデータがあるものだから、9:00から10:00を集中して流す。けれど、アタリが一向に無い。いままでなら、青物がくわえるが違和感を感じて放すアタリが頻繁にあるのに、まったく無い。ウリボウが外向きにいなかったのだから、それを知らずに気晴らしに散歩しているハマチやカンパチがいるはずがない。10:00を過ぎてウリボウが尽き始める。焦ると同時に、あきらめかけた。 N氏が「ウリボウを釣ってきますよ。」と言ってくれて、10分くらいで数匹のウリボウを餌バケツに入れてくれた。けれど、私の方は3時間弱を重い重いタックルを流し続けて、アタリさえなく、根気が切れる寸前。やめようかと思うが、N氏に諭されて続ける。生き餌のウリボウを2クールで取り替える贅沢な方法に変えた。その2投目、ウキが入る。どんどん入って見えなくなって、ベールを起こして道糸を送り込み、青物がウリボウを飲み込むまで我慢。頃合を見計らって、大あわせする。乗った。先々週のシオ(小カンパチ)ほどではないが、ガッガッガッと底へもぐりこむ青物の引き。今秋何本も上げているので、余裕をもってタモでランディングさせる。50Cm弱のピカピカのハマチ。

今秋のデータは、さらに追加されて、
「ウリボウは2クールで交換すること。」


20060909

洲本港の??

今回は釣りの話。気軽にどうぞ。でも、釣をしない人には退屈かも知れません。昨夜、洲本港のお気に入りの場所で、紀州釣。そこは、地元のひとはあまり行かない穴場で、夕方の短時間に潮位が急激に上がる日には、いわゆる高級魚があがります。冬場にヒラメ、ポン級アイナメ、30cm近いメバルなどなど。だから、詳しい場所は書きません。

昨日は、水温の高い初秋の大潮。膨張した海水のため、潮位は冬場よりも高く、午後4:00頃から数時間で1mは上がります。先週、仕事の時間調整時に防波堤のイガイをつつく50cmを超えるチヌを何枚も見ていますから、大阪湾の臭いチヌではない、洲本のチヌをあげようと勇んで洲本に出向きます。

紀州釣で毎回アタリはあるのですが、暗くなるまでにあげたのは20cm前後の小チヌ2枚。貧果です。暗くなってもオキアミをサシエに、配合エサでくるんで紀州釣を続けます。気分転換にサシエをサナギに変えても、一向にアタリなし。そろそろ止めようか。

もう数投のエサしか残っていない時に、きました、ずしんと重いアタリ。まるで、地面を引っ掛けたかのようです。大物はいつもそうですが、ハリにかかった瞬間からコンマ何秒間は、「何かあったの?」というようなきょとんとした感じなんでしょう。唇のどこかを急に引っ張られて、事態を飲み込めていません。そして、コンマ何秒間、毎秒数テラバイトを処理するやつらの脳のCPUは量子力学的スピードで解析し、事態を飲み込み、全神経に命令を発し、行動に移ります。つまり、全生命をかけて逃走します。

陸地で釣竿をひく私は、とほうもないチヌだと感じます。50cmをはるかに超えているのでは、超えているだろう、そうにちがいない、きっとそうだ、絶対そうだ、絶対絶対そうだと確信します。昨年の冬に2号のハリスを難なくぶちきった大物が出没する場所です。1.7号のハリスを極限まで引っ張り、ハリス強度の80%程度に固めたドラッグがいとも簡単に、バックラッシュを起こすのではと思うほどに、逆転するのですから。1.5号、5.3mの磯竿はミシミシという音が聞こえそうなくらい、胴から曲がっています。

海面近くまで浮いてきながらも、幾度もドラッグを鳴らして突っ込み、その重量感は50cmのチヌとは違います。コブダイがきた、とも思いました。

2分程度でしょうか、そんなやりとりの末、60cmのタモにようやく収まります。けれど、暗い中でのやつのシルエットは、細長い。なぜか、細長い。チヌでもなく、コブダイでもないのです。太った猫かと思うほどの、超えすぎた錦鯉かと思うほどの、全長60cm、体高15cmを超える、まるまると太ったボラでした。右腕がけいれんするほどに格闘した相手がボラだとは。

そういえば、チヌにしてはスピードが足りなかったよな、とか、頭をふらなかったよな、とか、急に私は冷静になります。こんなときいつもなら、徒労感が湧き出るのですが、とほうもないファイトを見せたボラなので、靴で蹴って海に返すことはせず、というか、蹴っても動きそうにないので、タオルで包んで抱きかかえて海に返してやりました。お疲れ様でしたね。元気でね、と。


錦鯉の里_小千谷市