20080108

Colonia Guel、バルセロナ近郊にて

20年前は見る機会を作れなかったコロニアグエルへ出かけた。バルセロナのメトロが工事中でカタロニア鉄道への連絡駅がメトロマップとは異なっていることを、臨時のボランティアの女の子が教えてくれた。どうもありがとう。やはり、バルセロナは国際観光都市である。少々わかりづらかったが。

コロニアグエル駅で降りて、ツーリストインフォの例のiの標識を辿って市街地に向かう。

グエル財閥は健在のようで、駅近くにはグエルと名の付く大きな工場が操業し続けている。街中心部のそのインフォメーションでは日本語のガイダンステクストもあり、コロニアグエルの中心部一体が工場で働く労働者や管理者の住宅を含んだ、集合住宅群であり、ハワードの田園都市にいくらかの影響を受けていることを知った。住宅群は何人かの建築家の担当であろうが、いくつかの住宅は今も丁寧に使われており、見るべきものがあった。





ガウディはこの地の教会の担当で、それがコロニアグエル教会。地域の教会にふさわしい、愛着を持つにはちょうどいい小ささで、好感は持てる。ただ、私にとってはガウディは少し脂っこいのだなぁ、これが。ガウディ独自のプロポーション感覚など、天才であるのは間違いないのだが。


バルセロナに戻る途中で、ボフィルのオールデン7が遠くに見えるが、もういいや。寒すぎた。バルセロナ市街地に戻り、カサミラ。外観のヴォリューム、プロポーション、サッシュの納めかた、踊るようなキャストアイアン、あえて美しい、と言いたい。



カサミラは先のブログで書いたように、今は公開され、最上階はガウディミュージアムとなっていた。見ごたえあり。
写真は、あまりに著名なガウディの懸垂構造モデル。写真を逆さまにアップしたのではなく、そのモデルの下に鏡が置かれ、その鏡像の写真。
物の本によると、この懸垂モデルをもって、ガウディの構造センスを問うのだが、私はそうは思わない。モデルニスモとは言うけれど、間違いなくガウディ造形の一部は中央ヨーロッパの盛期ゴシックを起源としている。フランスのシャルトルに代表される、フライングバットレスを用いた、強烈に緊張感のあるゴシック聖堂の構造形式は、そのヴァリエーションは試しつくされ、ガウディはそうではない構造形式を模索していたのだろう。私はそう思う。だから、スラストを分散させやすい放物線に固執したのだと思う。その結果、垂直性の強さが薄れ、ガウディ独自のディメンションが出来上がったのだと考えている。


0 件のコメント:

錦鯉の里_小千谷市