20250607

石垣島の美崎御嶽





沖縄本島や先島諸島にある御嶽とは、何かが空から降りてきそうな、そんな何かを静かに待つ、お迎えする場所なのだと私は思っている。ちょっとオカルトっぽいけれど。

離島にあるような今も”生きている”御嶽は少し入りにくい小径の先を少し進んで、森の中のぽかんと開けた場所なんかである場合が多い。そこは、人工的な何かに囲われているわけではないのに静かで、気持ちがゆっくりと落ち着いていくのがわかるようなそんな場所。

けれど、この美崎御嶽はその名称から窺えるように、 石垣島の市街地の離島ターミナルや飲み屋街からそれほど離れておらず周囲を住宅に囲まれていて、注意して耳を澄ますと、バイクの音や生活音さえ聞こえる。けれどしばらくいると、聞こえてこなくなる。正確には意識に上らなくなるというべきか。




元来の御嶽には、いわゆる建物、お社は無いが、この美崎御嶽には(ヤマトから)輸入された記号ともいうべき鳥居やお社があるのだが、それにもかかわらず、俗界に染まりすぎることなく、ずっと昔から何かを迎えるためのこんなに静かな場所だったろうな、と感じることができる。




この社の中央の開口を通してその奥を覗くと、ほの暗い森が垣間見え、その樹木の葉に光が当たっていて、目を凝らす。

いま私はどこを見ているのか、いや何を見ようとしているのか、と自問する。





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