パリの新凱旋門の国際コンペの当選決定から、建設現場のいろいろから竣工までを、1等当選者のデンマークの無名な建築家を主人公として、施工責任者として実務をこなすところの、シャルル・ド・ゴール空港を担当したテクノクラート建築家のポール・アンドリュー、当時のミッテラン大統領などを登場させて、実話に基づく映画として作られ、なかなか面白い。
主人公たるスプレッケルセンが個人主義の強い芸術家ー建築家として描かれているので、「もう少し現実的な現場進行に歩調を合わせたほうがよかったのでは?」という意見もあるだろう。また、その一方、当時の強い権力を有する大統領と共有できた同じ夢、つまり、シャンゼリゼと凱旋門の軸線を都市的スケールで強化する歴史的記念碑であることを重要視するあまり、建設コストの大幅な追加を無視し、タイトな建設ケジュールに合わせることを嫌い、この先で立ち上がる建築は自分と大統領の建築ではないとして、離脱していくこんな建築家こそ、おおいに評価すべきとも言えるし。いや、それじゃあ、遅れてやってきたシュペアーじゃないのか、とも極言できるし。
規模や知名度の違いは大いにあれど、個人の設計事務所を営む私にとっては、考えさせられることも多かった。同じ職能の方なら、皆、それぞれの意見を持たれることと思う。
以前から、新凱旋門のフォルムの超絶さに比して、実行されたディテールのつまらなさというか、神が宿っていないというか、なんで? そんな風に気になっていたが、この映画を観て、少し腑に落ちた。とはいえ、もし映画でのスプレッケルセンが現実においても離脱せず、最後まで張り付いていたらどうなっていただろうか.....? わからない。
それにしても、IMペイとスプレッケルセンがルーブルのガラスのピラミッドのフォルム確認のための実寸仮設フレームあたりを歩いたり、新凱旋門の施工中のいくつもの場面を見せてくれる3DCGは、VFXって言うんですか、もう現実のロケと区別がつかないほどでした。
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